~よくあるお悩みをわかりやすく解説します~
これまでの記事では、遺言書の基本や作成のメリットについてお伝えしてきました。
今回は、実際のご相談から多く寄せられる「遺言書にまつわる7つの疑問」を、福岡市南区の行政書士がやさしく解説します。
❓ Q1:夫婦連名の遺言書は作れるの?
A:作れません。連名の遺言書は法律上「無効」です。
「夫婦で1通にまとめたい」というお気持ちは自然ですが、
遺言は1人1通が原則です。
必ずそれぞれ別々の用紙で作成する必要があります。
▶ もっと詳しく:民法975条「共同遺言の禁止」
共同遺言とは、2人以上が1通の遺言書を作成することを指します。
禁止されている主な理由は以下のとおりです。
- 片方が撤回・変更したいときに自由にできなくなる
- 相手に遠慮して自由な意思表示ができない
❓ Q2:他人(夫や友人)の遺言書を代わりに作れるの?
A:いいえ、作れません。
遺言書は本人が作成するものと法律で定められています。
本人の意思を明確にし、偽造・変造を防ぐため、厳格なルールが民法で決まっています。
✅ 遺言書の方式は主に2つ
| 方式 | 特徴 |
|---|---|
| 自筆証書遺言 | ・全文・日付・氏名をすべて手書きし、押印 ・財産目録はパソコン作成可。ただし全ページに署名押印が必要 |
| 公正証書遺言 | ・遺言者が口頭で公証人に内容を伝え、公証人が作成 ・証人2名以上の立ち会いが必要 |
❓ Q3:書いた遺言書は変更できるの?
A:はい、変更・撤回できます。
「一度書いたら変えられない」と思われがちですが、
法律に沿って手続きすれば、内容の変更や撤回が可能です。
例えば…
- 一部だけ変更する
- 全体を撤回して新しく作り直す
いずれも有効な手続きであれば問題ありません。
❓ Q4:遺留分ってなに?
A:「遺留分」は、どんな遺言書でも削れない、相続人の最低限の取り分です。
事例で解説:
夫が「財産のうち5,000万円をある学校に遺贈する」と遺言し、残る財産は200万円。相続人は妻と子2人。
➡ この場合、妻と子2人は合計2,600万円まで学校に対して請求可能です。
これが遺留分(いりゅうぶん)です。
🧮 遺留分の計算ステップ:
- STEP1:基礎財産を計算
5,000万円+200万円 = 5,200万円
- STEP1:基礎財産を計算
- STEP2:遺留分の合計(全相続人の保障分)
5,200万円 × 1/2 = 2,600万円<遺留分の合計を計算するための割合>
| ① 親だけが相続人である場合 | 財産の1/3 |
| ② ①以外の場合 例) ・配偶者のみ ・配偶者と子 ・配偶者と親 | 財産の1/2 |
- STEP3:各人の遺留分を算出
- 妻:2,600万円 × 1/2(法定相続分)=1,300万円
- 子1人あたり:2,600万円 × 1/2(法定相続分) ÷ 2(人数)=650万円
📌 不安なときこそ、専門家にご相談ください。
❓ Q5:ペットに財産を相続できますか?
A:いいえ、日本の法律ではペットは相続できません。
ペットは法律上「物」として扱われており、人以外には相続できません。
とはいえ、家族同然の存在です。
そこで…
💡 「負担付遺贈」や「負担付死因贈与」といった方法で、
死後にお世話してもらえるよう準備することが可能です。
→ ぜひ専門家にご相談ください。
❓ Q6:「自分のコレクションで博物館を建ててほしい」という遺言は有効?
A:法的効力はありません。
遺言で定められる内容は法律で限定されています。
例えば、「不動産を妻に相続させる」といった内容です。
「博物館を建てる」という願いは、付言事項として希望を記すことは可能ですが、
法的に義務となるものではありません。
❓ Q7:「他の女性に全財産を遺贈する」という遺言は有効?
A:社会の基本的な秩序や道徳に反する遺言は無効となります。
ただしこの場合、ケースバイケースで「無効」「有効」が判断されます。
❌ 無効とされた事例
ある男性が妻に隠して不倫関係を11年間継続し、
関係維持を目的に全財産を不倫相手に遺贈。
妻はこの間、正常な夫婦関係と認識し、女性の存在は知らなかった。
➡ 遺言により妻の生活基盤が脅かされるため、裁判所は公序良俗違反で無効と判断。
(東京地裁 昭和58年7月20日)
✅ 有効とされた事例
別居中の男性が、生活を共にしていた女性へ1/3を遺贈。
➡ 遺言により妻子の生活基盤は脅かされず、女性の生活保障が目的であったため有効と判断。
(最高裁 昭和61年11月20日)
📌 まとめ|疑問や不安は、専門家に相談してすっきり解決
遺言書の作成は、多くの方にとって初めての経験です。
だからこそ、不安や疑問があるのは当然のことです。
🔹 悩むより、まずは専門家に相談してみませんか?
当事務所では、おひとりおひとりの思いに寄り添った遺言書作成をサポートしています。
初回相談無料です。土日祝も予約制にて承っております。
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