WAM NET入力手順と注意点を段階的に解説
はじめに|「入力したのに終わっていなかった…」を防ぐために
前回の投稿では、
「経営情報の報告・公表制度(経営情報の見える化)」とは何か
その全体像と考え方を、やさしく整理しました。
今回は一歩踏み込み、
実際の手続きでつまずきやすいポイントに焦点を当てます。
- 何を入力すればいいのか
- どこで間違えやすいのか
- 「入力したつもり」になりやすい落とし穴はどこか
を、STEP形式の実務マニュアルとしてまとめました。
パソコン操作が苦手な方でも、
制度の「落とし穴」を避けながら進められるよう、
出典資料に基づき、定義やシステムの仕様を丁寧に解説しています。
このマニュアルでわかること
このマニュアルでは、
障害福祉サービス等情報公表システム(WAM NET)を使った
新しい「経営情報の報告・承認申請」について、
- 入力前に必ず決めておくこと
- 実際の入力画面で注意すべき点
- 最後に必ず確認すべきポイント
を、STEPごとに整理しています。
特に、次のようなよくある失敗を防ぐことを目的としています。
- 「入力は全部したのに、提出が完了していなかった」
- 「定義を勘違いしていて、数字が合わなかった」
目次
- STEP1|準備:いつの・どの数字を使うか決める
- STEP2|基本情報の入力:共同生活援助(GH)は特に注意
- STEP3|職員数と給与:いちばん間違えやすいポイント
- STEP4|収益・費用の入力:A型・B型の注意点
- STEP5|Excelテンプレートで入力ミスを防ぐ
- STEP6|最後の確認:「申請完了」と思い込まない
- 困ったときのサポート窓口
- まとめ|報告手続きを進める際のポイントとご案内
STEP1|準備:いつの・どの数字を使うか決める
まず最初に、
入力の「土台となるルール」を固めます。
ここを間違えると、
後で入力する数字がすべてズレてしまいます。
報告する時点はいつ?
特段の指示がない限り、
「報告前年度の会計年度末」時点の内容を入力します。
- 3月決算の場合 → 令和7年3月末
- 12月決算の場合 → 令和6年12月末
「入力単位」の選び方
決算書の作り方に合わせて選びます。
※ 原則は「サービス単位」です。
- サービス単位:サービスごとに会計処理をしている場合(1法人1サービスの場合もこちら)
- 事業所単位:1つの拠点で複数サービス(介護保険事業を含む)をまとめて会計処理している場合
- 法人単位:法人全体で会計処理をしており、サービス別の収支が分からない場合
STEP2|基本情報の入力:共同生活援助(GH)は要注意
経営情報の入力は、
障害福祉サービス等情報公表システム(WAM NET)上で行います。
事業者IDでログイン後、
「事業所詳細情報の編集」画面に新しく追加された
「経営情報」タブから入力します。
サービスの種類(GHの場合)
- 介護サービス包括型
- 日中サービス支援型
- 外部サービス利用型
消費税の経理方式
「税抜」か「税込」を選択します。
【重要】ブラウザの「戻る」ボタンは使わない
前の画面に戻るときは、画面上部のリンクを使用してください。
ブラウザの「戻る」ボタンを使うと、
入力内容が消えることがあります。
STEP3|職員数と給与:いちばん間違えやすいポイント
ここは定義が複雑で、
最も間違えやすい項目です。
「常勤」の考え方
正社員かパートかではありません。
判断基準は、
「事業所で定めたフルタイム勤務時間をすべて勤務しているか」です。
- フルタイム勤務なら、パート職員でも「常勤」に含みます
- 週の労働時間が32時間未満の場合は、32時間を基準に判断します
給与の入力(支払総額)
会計年度初月の基本給・手当の「全職員分の支払総額」を入力します。
- 1人あたりの平均ではありません
- 賞与(ボーナス)は含めません
賞与の入力
年度内に支払った賞与の総額を、職種ごとに入力します。
入力後、「給与(月額換算)」が自動で計算されます。
STEP4|収益・費用の入力:A型・B型の注意点
A型・B型の注意点:「人件費に工賃は含めない」
決算書を見ながら金額を入力します。
科目の仕分けに注意してください。
人件費の注意点
就労支援事業などで利用者に支払う
工賃・賃金は人件費に含めません。
業務委託費
給食・送迎・清掃などを外部に委託している場合の費用です。
※ 材料の仕入れなど、全面的に外部委託している場合は含めません。
STEP5|Excelテンプレート活用で入力ミスを防ぐ
画面入力が苦手な方には、
Excelで下書き → アップロードの方法がおすすめです。
テンプレートの入手方法
「経営情報」入力画面の「ダウンロード」ボタンから取得できます。
エラー(赤表示)の確認方法
Excel内のセルが赤く表示された場合は入力ミスです。
特に、右端の「M列」に表示される
エラー内容を必ず確認してください。
すべての赤表示を解消してから、
保存・アップロードを行います。
STEP6|「終わったつもり」になりやすいポイントに注意
ここが最大の落とし穴です。
入力しただけでは、
報告は完了していません。
必ず行う操作
入力が完了し、アイコンが「入力済」になったら、
「承認者へ申請する」ボタンを必ず押します。
表示に惑わされない
ホーム画面に「今年度の報告が完了しています」と表示されていても、
経営情報は含まれていない場合があります。
最終確認の方法
「事業所情報の照会」画面で、
- 経営情報申請状況
- 表示が「申請済」になっているか
を、必ず自分の目で確認してください。
困ったときのサポート窓口
操作中にフリーズした場合や、
入力方法が分からない場合は、無理せず窓口を活用しましょう。
① 操作方法・システムトラブルに関する相談
障害福祉サービス等情報公表システム ヘルプデスク
- 電話:0570-666-081(受付時間:平日 9:00〜17:00)
- お問い合わせフォーム:オンライン相談が可能
👉「画面が固まった」「操作方法が分からない」など、システム操作全般はこちら
② WAM NET(経営情報入力システム)に関する問い合わせ
障害福祉サービス等情報公表システム(WAM NET)
- 内容:システム仕様・入力画面に関する問い合わせ
- 問い合わせ方法:
障害福祉サービス等情報公表システム
お問い合わせ送信フォーム
③ オンラインマニュアル・公式資料
WAM NET 事業者向けページ
- 最新の 操作マニュアル・記入要領 が掲載されています
- URL:
https://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/top/shofukuinfopub/jigyo/
👉 入力前・入力中の確認用として、手元に開いておくと安心です
④ 制度そのものに関する相談(行政窓口)
a. 制度の運用ルール・報告期限について
各都道府県等 情報公表制度担当窓口
- 厚生労働省
- 各都道府県等の情報公表制度担当窓口一覧
👉 「この解釈で合っている?」「期限は?」など制度面の確認はこちら
b. 福岡市の事業所の場合
福岡市 福祉局 障がい者部 障がい在宅福祉課
- 電話:092-711-4985
- FAX:092-711-4818
担当内容:
障害者総合支援法に規定する
指定障がい福祉サービス等にかかる
情報公表制度に関すること
参考:
福岡市|8 障がい福祉サービス事業者等情報公表制度
まとめ|報告手続きを進める際のポイントとご案内
経営情報の報告は、正解を急いで見つけるものではありません。
事業所の状況や制度の趣旨を丁寧に理解しながら、
少しずつ整理して進めていくことが大切です。
不明点や判断に迷う点を、
事業所の状況に沿って一緒に確認することも可能です。
必要なときに、こうした選択肢もあると感じていただければ幸いです。
ご希望があれば、遠慮なくご相談ください。
ご相談内容に応じて、考え方の整理や進め方についてお話しできます。

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