就労継続支援B型は、一般企業での就労が難しい方に対して、「働く機会」と「生産活動の場」を提供する障がい福祉サービスです。
雇用を前提としない点が特徴で、利用者一人ひとりの状態やペースに応じた関わりが求められます。
現場で日々支援にあたっている皆さまにとっては、
「制度としては分かっているけれど、改めて整理したい」
そんな場面も多いのではないでしょうか。
ここでは、制度の基本のしくみを整理します。
まずは確認|就労継続支援B型の「制度の基本のしくみ」
1.どんな方の「働きたい」を支えるサービスなのか
就労継続支援B型の主な対象は、次のような方です。
- 一般企業等での雇用に結びつかなかった方
- 年齢や体力の面から、雇用による就労が難しくなった方
- 就労経験はあるものの、同じ形で働き続けることが困難になった方
つまり、
「働きたい気持ちはある。でも“雇用”という枠組みが合わない」
そうした方のためのサービスです。
現場では、
「A型は難しいけれど、B型なら続けられる」
というケースに日々向き合っていらっしゃるかと思います。
2.A型との違いはここ|B型は「雇用しない」支援のかたち
就労継続支援B型では、原則として利用者と事業所の間で雇用契約を結びません。
ここがA型との決定的な違いです。
ただし、
雇用契約がない=報酬がない
というわけではありません。
B型では、生産活動による収入から必要経費を差し引いた額を、
「工賃」として利用者に支払う義務があります。
3.工賃はどう考える?福岡市で求められている最低基準と現場の工夫
福岡市では、条例により
「1人あたり月平均3,000円以上の工賃」
を下回らないことが求められています。
この数字は決して高くはありません。
しかし同時に、
- 生産活動の内容
- 作業の組み立て方
- 利用者の関わり方
こうした事業所の姿勢が、そのまま数字に表れる部分でもあります。
「基準を満たすこと」だけで終わらせず、
利用者にとっても「これなら続けられる」と感じられる工賃を目指して、
現場ごとに工夫を重ねていくことが大切になります。
4.B型で行われる作業の例|大切なのは「作業内容」より「設計」
資料で示されている主な作業例は、次のとおりです。
- 食品の生産・加工・販売
- 軽作業・内職的作業(梱包、仕分けなど)
- 清掃・環境整備作業
- 衣類・小物などの製作
- パソコン・IT・事務系作業
重要なのは、
「作業内容そのもの」よりも、「どう設計されているか」です。
利用者の障がい特性を踏まえ、
- 無理がないか
- 継続できるか
- 成功体験につながるか
そうした視点で、生産活動が組み立てられることが前提となっています。
5.定員は何人から?福岡市の基準と運営への影響
福岡市の条例では、就労継続支援B型の定員について、以下のように定められています。
原則
- 20人以上
例外として認められるケース
- 離島など、将来的に利用者確保が難しいと認められる地域
- 多機能型事業所として、他サービスと一体的に運営する場合
これらの場合は、
10人以上でも可能とされています。
定員は、
- 人員配置
- 事業計画
- 収支構造
すべてに影響する重要な要素です。
開設時だけでなく、運営を続ける中でも定期的な見直しが必要になります。
6.福岡市のB型事業所は今どれくらいある?現状から見えること
福岡市では、
令和7年11月時点で 約201か所の就労継続支援B型事業所が確認されています。
つまり、
「B型事業所が多い地域」=「選ばれる視点が必要な地域」
でもあります。
- どんな支援を大切にしているのか
- 利用者にとって、どんな居場所なのか
制度理解は、その土台となる部分です。
制度改正が続く今、現場の判断を支える「整理役」として
障がい福祉サービスの制度は、
改正や見直しが頻繁に行われ、内容も年々細かくなっています。
そのため、日々の運営の中で
「今の理解で合っているだろうか」
と立ち止まる場面も少なくないのではないでしょうか。
今後も、制度改正や運営に関わる情報を、必要なタイミングで整理しながらまとめていきます。
現場での判断に迷ったとき、制度を確認したいときの「整理役」として、お役立ていただければ幸いです。

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