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障がい福祉サービス

【令和8年4月予定】就労継続支援B型の基本報酬見直しとは? 対象となる事業所・影響の考え方を行政書士が解説

本記事は、就労継続支援B型事業所の運営判断に必要な制度情報を、行政書士が整理した解説記事です。

令和8年4月を目安に、就労継続支援B型の基本報酬が見直される予定です。
この記事では、なぜ見直しが行われるのか、その考え方と、事業所として今のうちに確認しておきたい点を、行政書士の視点からできるだけ分かりやすく整理します。

今回の見直しは、すべてのB型事業所に影響が出るものではありません
制度の流れを正しく知ることで、必要以上に不安になることなく、落ち着いて対応することができます


1.なぜ今、基本報酬の見直しが行われるのか

(1)障害福祉サービス全体の費用が大きく増えている

公表資料によると、障害福祉サービス全体にかかる費用は、1年間で約12.1%増加しています。
これは、国が当初想定していた水準を大きく上回る伸びです。

主な理由として、次の2つの要因が同時に進んでいることが挙げられます。

  • 利用者数の増加(約6%)
  • 1人あたりにかかるサービス費の増加(約6%)

このまま費用の増加が続くと、障がい福祉制度そのものを安定して維持することが難しくなるおそれがあります。
今回の見直しは、こうした状況を受けた一時的・応急的な調整として検討されています。


(2)令和6年度の計算方法変更による想定外の影響

今回の見直しの直接のきっかけは、令和6年度に行われた平均工賃月額の計算方法変更です。

この変更は、
利用日数が少なくなりやすい利用者を多く受け入れている事業所が、報酬面で不利にならないようにする
という配慮から行われました。

しかし結果として、

  • 想定より多くの事業所が
  • 実態以上に高い報酬区分に該当する

という状態が生じました。
国はこれを制度設計の想定を超えた影響と捉え、報酬区分の基準そのものを見直す必要があると判断しています。


2.今回の見直しは「一律に報酬が下がる」わけではありません

(1)見直しの基本的な考え方

今回検討されているのは、各報酬区分の基準額を一定程度引き上げるという調整です。

簡単に言うと、

  • 計算方法の変更によって上がりすぎた部分を整理し
  • 報酬区分を、もともと想定されていた水準に近づける

という考え方になります。


(2)現場への影響を抑えるための3つの配慮

国は、事業所への影響が急激にならないよう、次のような配慮を示しています。

① 報酬区分が上がっていない事業所は対象外

令和6年度の計算方法変更により、報酬区分が上がっていない事業所については、今回の見直しによる直接的な影響はありません

② 区分が下がる場合でも、急激な減収を防ぐ措置

仮に報酬区分が下がる場合でも、収入が一気に減らないよう、緩やかに調整する措置が取られる予定です。

③ 最も工賃が低い区分は基準を据え置き

平均工賃月額が1万5,000円未満の区分については、今回の基準引き上げの対象外とされています。
工賃を上げることが特に難しい利用者を支えている事業所への重要な配慮と考えられます。


3.事業所が今、確認しておきたいポイント

(1)自事業所が対象かどうかを確認する

まずは、自事業所が今回の見直しの対象になるかどうかを確認しましょう。

① 令和6年度の計算方法変更で、報酬区分が上がったか
→ 上がった:今回の見直しの対象
→ 上がっていない:今回の見直しの対象外

② 緩和措置の対象になる可能性があるか

この2点を整理することが重要です。


(2)平均工賃月額をあらためて把握する

次に、

  • 現在の平均工賃月額
  • 仮に基準額が引き上げられた場合の影響

を、具体的な数字で確認しておきましょう。

「ぎりぎり達成しているのか」「ある程度余裕があるのか」によって、今後の対応方針は大きく変わってきます。


4.制度見直しを「支援の見直し」につなげる視点

今回の見直しは、単なる報酬調整ではなく、支援のあり方を見直すきっかけとも言えます。

利用者一人ひとりの

  • 得意なこと
  • 無理なく続けられる作業
  • 安定して価値につながる役割

をあらためて見つめ直し、事業所としての支援の組み立てを整理することが、結果として工賃向上にもつながっていきます


まとめ

今回の基本報酬見直しは、障がい福祉制度をこれからも安定して続けていくための調整です。

特に、令和6年度の計算方法変更で報酬区分が上がった事業所は、今後の動きを見ながら、早めにご自身の事業所の状況を整理しておくことが重要です。

制度の変化を正しく理解し、日々の支援や運営にどう活かすかが、これからのB型事業所には求められています。

なお、本件については、今後省令・通知・正式資料の公表により、内容が整理・更新される可能性があります。
本ブログでは、制度の動きを確認しながら、現場の皆さまが判断に迷わないよう、最新情報を随時お伝えしていきます

厚生労働省|第51回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」資料

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